早稲田大学2015年の入試問題、数3微積の導入に使えるんじゃね

この話題は2015年の夏から知っていたのですが、記録に残しておこう!ということで書くことにしました。

西成活裕先生の『とんでもなく役に立つ数学』 に、数学3の微分積分の導入で使えそうな面白い話題があります。

とんでもなく役に立つ数学 (角川ソフィア文庫)

とんでもなく役に立つ数学 (角川ソフィア文庫)

正方形上の4点を結ぶような線のうち、引く線の長さを小さくするにはどうすればよいか?という問題です。

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電気回路の配線だと思えば、A,B,C,Dをいかに少ない材料で結んでコストを減らすか?という問題と考えることもできますし、A,B,C,Dを都市と考えれば、それらを結ぶ道路を建設するのにいかに少ない建設費用で済ませるか、という問題と考えることもでき、リアルに繋がる面白い問題だと思います。

多分最初は以下のように、バッテンではどうか?と考えるでしょう。

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点が2つしかない場合は、その2点を結ぶ最短の道路は当然直線になります。ですからその発想で4点の場合もまっすぐ結べばいいんじゃね?ということですね。しかし、この結び方よりももっと道路の距離を短くすませる方法があります。以下のようにするのです。

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これが本当に短くなっているということを納得するために、次の実験で確認してみましょう。

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確かに、バッテンの道路よりも、新しい道路の引き方の方が必要なマグネットが2個分少なくなっていますね!

では、中央の道路をどれぐらいの長さにしたときに最小になるのか…それは微分積分の計算が必要になるのです…と、導入ができそうです。
なお、この話題は2015年の早稲田大学の入試で出題さています。
この記事は問題の解き方の解説するのが目的ではないので、解答はメモをさらっと残しておくにとどめます。きちんとした解答は上の早稲田大学様のWebページにありますので、必要な方はそちらをご覧ください。
f:id:g6248:20150725203542j:image
(f’=0の周りで符号が変わることを書かなければ答案としては減点されると思いますので注意です)
なお、バッテンの道路と解答の道路比率を計算すると、
{\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}=0.965}
となり、解答の道路はバッテン道路よりも約3.5%材料が少なくて済むことになったようです。
(補足)
上の実験映像(GIF)について。マグネット1個分が3.5%に相当するようにしようとすると、1÷0.035=28.57個のマグネットを用意…と整数値に近くない。そこでマグネット2個分が3.5%に相当するようにして、2÷0.035=57.14≒57個のマグネットを用意しています。
高校1年生向けに微分はどう使われるかという話をYouTubeにあげています。上のGIFはこちらの動画から作成しています。よければご覧ください。
大学入試のネタを授業で使えるような形に整理しておくと、便利ですね。もっといろいろとネタを揃えたいところです(入試問題を解く時間がたくさん欲しい…)。
今回はここまで!