ガウス積分
…①
の証明は通常、大学の微分積分の範囲で重積分の「極座標変換」の知識を使って計算されます。
計算したい積分をとおくと、
という計算から、が示されます。
今回は上の計算を可能な限り高校数学の道具だけで計算してみようと思います。そもそも積分区間がの広義積分である時点で高校数学の範囲を超えているわけですが、広義積分といえども有限区間の積分で最後に極限をとる
ということですから高校数学の範ちゅうにしてしまえ、というノリで計算してしまいます。
は偶関数ですから、ガウス積分①を示すには
…②
を示せば十分です。さて、やや天下り的ですが、次の積分を計算してみましょう(道具があまり使えない代わりに巧みな工夫がいるのです!)
…③
上③の積分を計算してみましょう。で積分する際は
はただの定数扱いですから、
ここでとおくと
、変数の対応は
が
から
までうごくとき
は
から
まで動くから
…④
となります。さて、今度は③の計算をから先に行ってみましょう。
と
で積分する際には
は定数扱いであることに注意すると、
(ここででの積分において
と置換すれば
により)
…⑤
天下り的に定義した積分③の値は④よりであるが一方別のやり方で計算した⑤によるとこれはガウス積分(の積分区間が半分)の2乗
であることがわかりました。
よって②の式
が成立することがわかります。
では。